2008年12月29日

小説醍醐味の甦り

12月20日土曜日、夜9時から「花の誇り」と言うテレビドラマがありました。藤沢周平原作です。過去に「蝉しぐれ」なども放映され、すっかり藤沢周平原作ドラマの大フアンです。
「花の誇り」も何回も予告され、20日の土曜日を楽しみにしていました。手帳にも忘れないようにメモをしていた位です。ところが、その時間は息子夫婦の来訪があり、孫と戯れている内に忘れてしまい、翌朝、床の中で「ハッ」と思い出し飛び起き前日の新聞を確かめ、なぜ録画しなかったのか悔しくて悔しくて自分を責め立てていました。
インターネットで再放送の予告でも書いてないだろうかと調べているうちに「花の誇り」は短編小説「榎屋敷の春月」のテレビドラマ化された事を知り、早速その日のうちに購入してきました。雑誌の類は今でも読んでいますが、小説の単行本を読むのは30年ぶりぐらいでしょうか。若き青春の頃を思い出します。

中学の頃から小説を読むのが好きで、毎日貸し本屋通いで、丹羽文雄や舟橋聖一の恋愛ものを教室で夢中で読んでいて、教員室に呼ばれたことなどを思い出します。
高校の頃は、中里介山の長編時代小説「大菩薩峠」を読み、その世界に酔いしれていました。ストーリーは曖昧ですが「机龍之介」と言う主人公の名前は今でもすぐ出てきます。国語の時間に教科書のある部分を読むことを指名され、「金額○○円」と言うくだりを「金額○○両」と読み、大爆笑をかった事などを思い出します。
学校を卒業し社会人になった頃は、松本清張の推理小説「点と線」をかわきりに、清張の世界に埋没して短編長編をいとわず読破していました。その頃は高度成長の最盛期で、仕事の忙殺が果てしなく続き小説を読む暇もなくなり、小説の醍醐味も歳月と共に次第に薄れ、小説を読んだのは清張の本が最後だったように覚えています。

テレビ「花の誇り」見落としたばかりに、原作の小説「榎屋敷の春月」を読む羽目になったんですが、読み進むうちに時間も忘れ集中し、まさに、むさぼる様に読んでいました。人物像や情景も頭の中で描かれ、テレビでは気付かない情感の流れなどが手に取るようにイメージされてきます。筋書きも予測しながら読むんですが、思わぬ方向に曲折転換して意外な展開になるなど、それも無理にではなく必然性を伴ない、なるほどと思わせる。主人公か脇役の中に必ず一人は、文武両道に優れ人品豊かな人物が登場する。私は合気道を趣味としていますが、相対し斬り合う場面では、人物の動き、構え、思考心情に没頭して「後の先」「気結び」など極意の描写には胸踊り興奮も冷め止まぬ思いです。

ここ数日、30年前の醍醐味と興奮が甦り、多忙な中に、新たに、この楽しみを如何に時間配分するか苦慮しそうです。しかし、生活の中に忘れていた青春時代の感動する感性が残っている事がうれしく、大きな収穫でした



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Posted by 彩草工房 at 00:45│Comments(6)随想
この記事へのコメント
私は、花の誇り観ました。私の好きな俳優さんが出演されていたからですが。
原作を読もうと思いました。

池波正太郎さんが好きです。
Posted by ゴン at 2008年12月29日 23:38
>ゴンさん

観ましたか。羨ましい。
池波正太郎さんと言えば、鬼平犯科帳ですかね。テレビでは見ますが、原作を読んで見ます。
Posted by 彩草工房 at 2008年12月30日 00:30
コメントを頂いたので、調子にのってお邪魔します。

本がお好きなのですね。私も大好きです。何が?と言われても、とても乱読で答えにくいのですが。マンガも好きだし。

家にいながらにして、色んな世界に遊べるのですから、たまりませんよね。鬼平は、テレビも良いけど小説も良いですよ。是非お読み下さい。

な~んて、えらそうに言ってますが、実は私もテレビしか見ていなくて、友達から「原作を読まずに語るな!」と説教されたとこなのでした。スミマセン。
Posted by キリンさんキリンさん at 2008年12月30日 18:26
漫画。今は読みませんが、昔は夢中で読んでいました。手塚治虫原作です。今も本棚に
「鉄腕アトム、火の鳥、アドルフに告ぐ」などが数冊残っています。
どの世界でも、原作に触れておくこと大切なようです。
Posted by 彩草工房 at 2008年12月31日 09:32
あけましておめでとうございます。
本年も「地域ブログみやchan」のメインコンテツである
「加盟ブログ」としての記事の更新を楽しみにしています。
本年もよろしくお願いいたします!
Posted by @焼きあじ at 2009年01月05日 15:55
>@焼きあじ さん

明けましておめでとう御座います。
投稿せねばと焦りつつも
多事雑用に追われております。
近日中に記事更新します。
本年もよろしくお願い致します。
Posted by 彩草工房彩草工房 at 2009年01月05日 23:41
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